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饅頭の餡と皮に黄金比率があるように、クリームが入ったお菓子にもクリーム/生地の黄金比率ってあるニョロか?
クリームの甘さによって生地の厚さが変わってくるよ。
ハッキリと違いが分かる2商品を比べてみたから参考にしてケロ
こんにちは、りょうです!
突然ですが、カスタードケーキってお好きですか?ふわっふわの柔らかいケーキを一口かじると、中から黄色いカスタードクリームがとろ~り。これは間違いなくおいしいです。
では黄色くて「丸くて」カステラ生地の中にカスタードクリームがたっぷり入ったお菓子と言えば、何を思い浮かべますか?……そう!アレが有名(👈アンケート結果から察してください)。
おいしいからこそ、似たような商品がいくつも全国各地で売られていて、「コレって◯◯のパクリなんじゃない?」なんて誤解されてしまうことも…(ちょっとかわいそう😭)。
そのようなお菓子の代表として、この記事ではネーミングまで酷似した2商品「萩の月」と「瀬戸の月」を徹底比較してみました!
- カスタードクリームが入ったスポンジケーキが好き
- 近いうちに、出張や旅行で四国に行く予定がある
- あまり知られていない隠れた逸品を探すのが好き
萩の月 | 項目 | 瀬戸の月 |
---|---|---|
宮城県仙台市 | 生誕の地 | 愛媛県新居浜市 |
宮城野に咲く萩の花の上に浮かんだ満月 | 名前の由来 | 月が満ちた瀬戸の海 |
菓匠三全 | 製造者 | ハタダ |
1979年 | 発売日 | 不明 |
206円(小箱無しバラ売) | 価格 /個 | 145円 |
56 g | 重さ | 40 g |
国産の牛乳と卵を使ったやさしい風味のカスタードがたっぷり詰まったきめ細かなカステラ | 特徴 | きれいな月色のふんわりカステラで特製カスタードクリームを包み込んでいる |
147 kcal 3.3 g 4.3 g 23.8 g 0.08 g | 栄養成分 熱量 たんぱく質 脂質 炭水化物 食塩相当量 | 116 kcal 2.0 g 4.2 g 17.9 g 0.05 g |
なし | バリエーション | ふんわりみるく |
・全国菓子博 食糧庁長官賞 ・ロングライフパッケージ賞 ・JPC 日本百貨店協会賞 ・日経プラス1 読者が選ぶベスト銘菓土産1位 | 受賞歴 | なし |
この手のお菓子の中で最も早く売り出したのが「萩の月」ですから、元祖と言われるのも納得です。
「萩の月」は菓匠三全が1979年(昭和54年)に発売したお菓子で、カスタードクリームが入ったまんじゅう型菓子の元祖です。
「30年前に出会ってから買い続けている」、「食欲がないときでも食べたくなる」という方もいるほどで、地元でも長く愛されている定番のお菓子です。
そのため仙台駅の一部の販売店や、市内の大手スーパー等では外箱のない簡易包装のバラ売りにも対応していて、1個から買えるんです。
夏場になると店頭には「冷やしたり凍らせたりすると、一味違った美味しさが楽しめます」という涼しげなポスターが貼られ、仙台七夕限定パッケージの予約が始まります。
お土産として需要が高いことに加えて、アニメや宝塚とのコラボ商品も販売されています。
「萩の月」はネットショップでお取り寄せもできます👇
「萩の月」を製造販売する「菓匠三全」が創業したのは1947年(昭和22年)のこと。
仙台市ではなく、蔵王町(宮城県)で「田中飴屋」という小さな飴屋さんを営んでいました。
1953年に大河原町(宮城県)に移転すると「田中製菓工場」と改称し、飴以外の菓子も作るようになりました。
その頃に作っていたのがミニシュークリームで、これが結構人気がありました。
そのクリームと、当時最も高級品とされていた長崎カステラを合体させるイメージで考えだされたのが「萩の月」だったのです。
ただ、どうしてもカスタードクリームが日持ちしなかったため、エージレス(脱酸素剤)まで開発しました。
ですが最初の頃は知名度も低く、あまり売り上げが伸びませんでした。
それが、旅客機の機内食として採用されたのがきっかけで徐々に名前が広まって行き、松任谷由美さんが深夜番組の中で「おいしい」と発言したことで爆発的に有名に。
その後、社名を株式会社菓匠三全に改め、1979年9月にようやく「仙台銘菓 萩の月」として本格的に販売開始となったのです。
1989年には仙台青葉まつりに「青葉駒山鉾」で初参加を果たし、名実ともに仙台を代表する菓子会社となりました。
社名の『三全』は、「お客さまへのサービス」「喜働の職場づくり」「堅実経営」の三つの完全をめざす精神に由来しています。
その堅実経営のおかげで、今では「萩の月」をはじめとする約120種類の和洋菓子が、宮城県のほか岩手県、山形県、福島県の65店舗で売られています。
「瀬戸の…」と聞いて「花嫁」は知っていても、「瀬戸の月」というお菓子についてはご存知ない方が多いかもしれません。
特に関東から北にお住まいなら「初めて聞く」という方が大多数なのかも。
さて、「瀬戸の月」を製造・販売しているのは、愛媛県にある畑田本舗(ハタダ)。
1933年(昭和8年)に愛媛県新居浜市で創業以来、なんと80年以上の歴史を持つ老舗中の老舗。
現在では愛媛県・香川県・高知県・徳島県・岡山県・広島県の各地域に56店舗が展開しています。
そんなハタダ菓子店で販売されている「瀬戸の月」は、お月様色のふんわりとしたカステラ生地が、濃厚な味わいのカスタードクリームを包み込んで、誰にでも愛される定番菓子です。
カステラ生地とみるくカスターのクリームを合わせた「瀬戸の月 ふんわりみるく」もあります。
バラエティーに富んだ商品開発を得意とするハタダのお菓子のラインナップは数えたらきりがありません。
どのお菓子も地元の人達と共に長い年月を重ねて来た思い出深いお菓子なのです。
全て左側が萩の月、右側が瀬戸の月です。
クリックすると画像が大きく表示されます。
まず、分かり易いように箱から出しました。
「萩の月」は厳重な三重包装。ふわふわしたお菓子が長い旅の間に潰れないよう、この外箱が守っているんですね。
「瀬戸の月」も形が崩れないようにプラスチックのカップに入っていました。
開封している時に気付きました、「扱いやすさが全然違う!」
「瀬戸の月」は外袋を開けたあと、横にスライドさせて中身を取り出しました。この時若干ではありますが、カップに入っていない上の部分が袋の内側に残ってしまいました。そしてカップから取り出す際にも底がくっついてしまって、更に自分の指の形まで残ってしまってキレイに取り出すことができませんでした。
ところが「萩の月」は違ったのです。紙箱から取り出して中袋を開けるところまでは同じですが、「萩の月」はその袋の中で、更にお饅頭のようにしっかり全体が包まれていました。ですから取り出す際に手が全く汚れませんでした。そういえば、販売元である菓匠三全の公式サイトにこんな一文👇ありましたね。
お菓子一つひとつにふさわしいパッケージ(中略)にも、おいしさの演出を心がけております
菓匠三全公式サイト
食べ比べてみたところ、やはり違いました。
なので食レポしまーす。
袋から全部出してしまうと、どちらも形はよく似ていますね。
気持ち「萩の月」の方が大きいでしょうか。
「瀬戸の月」は着色料が含まれているせいか、ほんのり黄色味が濃い感じがします。
まず、カステラ生地とクリームの割合が明らかに違いました。
- 「萩の月」👉カステラ生地 2 / クリーム 8くらい
- 「瀬戸の月」👉カステラ生地 6 / クリーム 4くらい
生地のきめ細かさは同じくらいでしたが、食べてみるとクリームの甘さの伝わり方が全然違いました。
「萩の月」のカスタードクリームは、控えめな優しい甘さがゆっくり広がる感じで、その後、ほんのりと牛乳の香りが追いかけてきます。
「瀬戸の月」の方は、割と強めの甘みがストレートに来る感じです。
ねっとりとした濃いめのクリーム(正確にはフラワーペースト)なので、前述のカステラ6 / クリーム4で丁度いいのかも。
ことばの違い.com
- カスタードクリームは「牛乳・卵・砂糖・香料に小麦粉などを加えて煮て、とろみをつけたもの」で日持ちはしない
- フラワーペーストは「小麦粉や澱粉などに水あめ、ココア、油脂などを混ぜてペースト状にしたもの」で日持ちがする
今回は仙台銘菓「萩の月」と四国銘菓「瀬戸の月」について、徹底的に比べてみました。
- どちらのお菓子も製造元は歴史ある老舗
- カステラ生地とクリームの割合が両者で明らかに違う!
- 萩の月はカスタードクリーム、瀬戸の月はフラワーペースト
見た目や味について「どっちが良い悪い」とかはなくて、時を経てその土地に住まう人達の口に合う味になったのでしょう。
「萩の月」は大河原町(宮城県)のふるさと納税返礼品にもなっています。
ところで先日、某料理サイトで「萩の月アレンジ」という書き込みを見つけました。
レンチン、焼き、揚げといろいろあって、こんがりと焼き色のついた萩の月や油で揚げた萩の月の姿が衝撃的でした。
「カリっと揚げた」のが最高に美味だったらしいので、今度やってみようと思います(明らかにカロリー爆弾)w